繊細クリエイターに道を示す『未来のコンパス』
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AIの濁流と、1時間かけて歩く私。「自分を消す作業」から、静かに降りるための道
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AIの濁流と、1時間かけて歩く私。「自分を消す作業」から、静かに降りるための道

自分の道を歩むための1歩目は、歩幅は短くていい。うんと短くて、誰も気づかないような小さな1歩で十分なんです。

正解を求めるほど、世界は小さくなる

北海道神宮祭の熱気が街を包む夜。

札幌の中心部は人で溢れていましたが、私はその賑わいから少し離れ、1時間ほどかけて家まで歩いて帰りました。

祭りのざわめきが少しずつ遠ざかり、夜の静けさが戻ってくる。その道中で、スマートフォンに流れてきたAI関連のニュースについて考えていました。

内容は「より良いコミュニケーションの方法」について。

AIに対してはこう伝えましょう。
相手の話はこう受け取りましょう。

そんな“最適化された対話”を教えてくれる発表でした。

多くの人にとっては有益な情報だったと思います。

けれど私は、そのニュースを読みながら少しだけ寂しい気持ちになりました。

本来AIの面白さは、不完全な言葉を汲み取ってくれることにあったはずです。

言葉足らずでもいい。
途中で考えがまとまっていなくてもいい。

曖昧なまま投げかけても、AIはその行間を推測しながら一緒に考えてくれる。

それは人間同士の会話にはない、新しいコミュニケーションの可能性でした。

ところが最近は、その逆が起きています。

AIに合わせて私たちが整え始めている。

「こう理解してください」
「こう受け取ってください」
「こういう形式で答えてください」

もちろん、その方が精度は上がります。

でも、その過程で私たちは少しずつ自分自身を削ってはいないでしょうか。


AIは優秀です。

私たちが思い描くゴールに向かって、驚くほど正確な答えを返してくれます。

しかし、そのゴールが完璧に達成された瞬間、成果物の可能性は私たち自身の知識や想像力の範囲に閉じ込められてしまうことがあります。

自分が思いつく範囲の問いからは、自分が知っている範囲の答えしか生まれない。

これはAIの限界ではなく、問いを発する側の限界です。

ビジネスでは正確さが重要です。

誤りを減らし、再現性を高めることには大きな価値があります。

しかし個人の探求や内省の時間まで、最初から正解だけを求めてしまうとどうなるでしょう。

安全な場所から一歩も出ることなく、未知との出会いを失ってしまうかもしれません。

私は今でも、あえて少し遠回りな対話を残しています。

効率だけを考えれば不要なプロセスです。

それでも、その寄り道の中にこそ、自分でも気づいていなかった考えや感情が現れることがあるからです。


最近、情報に疲れてしまったという声をよく聞きます。

新しいサービスが登場する。

新しい手法が流行る。

昨日まで正解だったものが、今日には古くなっている。

そんな変化が続くと、自分がどこに立っているのか分からなくなります。

これまで信じて登ってきたハシゴが、ある日突然外されるような感覚。

焦りや不安が生まれるのも当然です。

でも、忘れてはいけないことがあります。

今あなたが目指している場所は、人生の頂点ではありません。

次の景色を見るための中間地点です。

だからこそ大切なのは、誰かの現在地ではなく、自分自身の現在地です。

自分はどこにいるのか。

どこへ向かいたいのか。

その輪郭が見えてきたとき、AIは単なる便利なツールではなく、本当の意味での相棒になります。


そしてもうひとつ。

数字から少し距離を置いてみることもおすすめしたいと思います。

フォロワー数。
インプレッション数。
登録者数。

もちろん数字は大切です。

ですが、メールボックスに直接届く一通の言葉と、タイムラインを流れていく一通の言葉は、同じ文章でもまったく違う温度を持っています。

どれだけ多くの人に届いたかよりも、誰か一人の心を動かせたか。

どれだけ拡散されたかよりも、自分自身の解釈がそこに宿っているか。

私はその方が、長い目で見れば価値があると思っています。


誰かの成長速度に合わせて走り続ける必要はありません。

歩幅は人それぞれです。

今日ひとつだけ新しい気づきを得る。

昨日より少しだけ深く考えてみる。

その積み重ねの方が、流行を追い続けることよりも大きな資産になることがあります。

テクノロジーはこれからも進化し続けるでしょう。

世界はますます速くなり、正解は数秒で手に入るようになるかもしれません。

それでも、自分自身が考えることをやめてしまったら、その進化の本当の価値には気づけません。

だから時々は、新しい流行を追いかける手を止めてみる。

静かな夜の中で、自分自身に問いを投げかけてみる。

そんな時間があってもいいのだと思います。

あなたは最近、どんな「見えないハシゴ」を登ることに疲れましたか。

もしよければ、コメント欄で教えてください。

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